更年期障害による心と体に不調は、更年期のストレスの原因となりますが、精神的な影響も大きいと言えます。その症状をどう捉えるかで更年期の過ごし方がずいぶん変わってくる。
例えば、辛い症状に悩む時、更年期がいずれ終わるなんてなかなか考えられませんが、いつか終わることを意識して気持ちをなるべく明るい方へ切り替える、この時期は完全に自分の体のメンテナンスだと割り切ってとにかく無理をしない、など自分なりに対策を考えておくことがポイント。
女性は誰でも避けて通れない更年期。同じように過ごすなら、対策を考えて少しでも更年期障害を軽くした方がいいですよね。ここでは、うまく乗り切るための方法について紹介します。
更年期障害を軽くしてうまく乗り切る方法

生活のリズムを整える
自律神経が乱れやすい更年期は、早寝早起きを心がけて。早起きを習慣にすると、気持ちや安定しやすくストレス解消にも効果的です。夜型の生活を送ると、いろいろな悩みが頭に浮かぶことが多く、気持ちが沈みやすくなる傾向が。
人間の体は、朝日を浴びることで体内時計を地球時間に合わせて体内時計のズレを調整します。体内時計は、1日周期の生体リズムのこと。睡眠、血圧、体温、ホルモン分泌、代謝などをコントロールしています。
この体内時計が乱れると、集中力が低下し仕事にも影響が出るほか、睡眠障害や生活習慣病など病気のリスクが高まります。また、朝食を食べることにより、同様に体内時計のリズムを整える効果があるので毎日の朝食も重要!
食生活の改善
更年期は基礎代謝が低下して太りやすい時期。だからといって食事を減らしていては、体に負担がかかるばかりです。食事の量を減らすよりも、カロリーを減らすことを意識して肥満を予防しましょう。
脂質を減らすために肉類と甘いものは控えめに。肉類もヒレ肉や赤身肉を中心に食べて、脂身を取り除いて調理するなど工夫して。一緒に緑黄色野菜をたくさん食べると、カロリーを控えながら満腹感も感じられます。
更年期のエストロゲンの急激な減少により骨量が減少、骨粗しょう症につながりやすくなります。その予防にカルシウムを積極的に摂りましょう。カルシウムを含む牛乳・乳製品や小松菜・チンゲン菜、納豆・豆腐などの大豆製品、小魚・ししゃもやいわしの丸干しなどがおすすめ。
カルシウムの吸収を助けるのがビタミンD。きくらげ・まいたけなどきのこ類、さけ・にしん・しらすなどの魚類に多く含まれています。ぜひカルシウムと一緒に充分に摂ろう。
運動の継続
食事の次にかかせないのが運動です。よく言われることですが、なによりも運動を継続して習慣にすることが大切。体を動かすと血液の循環がよくなり、脳と体全体が活性化されます。運動の効果は、以下の通り。
【運動の4つの効果】
- 脳内伝達物質のドーパミン活性化により心身ともにリフレッシュ、気分転換になる。
- 成長ホルモン分泌により老化を遅らせる。
- 肥満や生活習慣病を予防する。
- 記憶力・集中力が向上し認知症を予防する。
おすすめの運動は、ウォーキング!気軽に始めやすい有酸素運動です。1日20~30分と比較的短い時間でも効果あり。誰かと一緒にウォーキングすることで、コミュニケーションがスムーズになります。
【ウォーキングの効果】
- ストレス解消と気分を明るくする作用
- うつ症状軽減
- 脳内神経物質エンドルフィンの分泌を高める
- 鎮静効果や気分の高揚・幸福感を得られる
※参照 日本生活習慣予防協会
気軽にできて元気が出るウォーキングは、やっぱりいいですね!犬の散歩や音楽を聴きながら、時間を決めて無理せずに続けましょう。
動きやすい服装で、猫背にならないよう姿勢を伸ばして、大股の速足で歩くことを意識して。水分補給も忘れずに。
更年期障害を軽くするためにしっかり休養を

仕事や家事でなかなか自分の時間が取れないと、知らず知らずのうちにストレスや体の疲労が溜まってしまい、重い更年期障害の原因にもなります。リラックスできる自分の時間を見つけて、その日のうちにストレスを少しでも解消する工夫が必要。
気分転換のつもりでも、スマホやパソコンでインターネットを長時間利用していると、ブルーライトの影響で「交感神経」が活性化されて、心身が休まらないという悪循環に。眠る直前までの利用は控え、2時間前にはやめておきましょう。
夜の過ごし方を見直して、お風呂でのんびりとリラックスしてみては?入浴前の2時間前には夕食を済ませて、湯温38~41℃のお湯にゆったりと30分ほどつかりましょう。入浴中は、ぜひ好きな香りを楽んで。
天然塩(精製塩は×)大さじ2~3に精油2~5滴を容器に入れて混ぜ合わせて手作りのバスソルトを作り、湯舟に入れます。香りが広がるたびにリラックスして、体が温まりますよ。
但し、循環式の浴槽の場合は、風呂釜を痛める可能性があるため使用しないこと。入浴後にはお湯を抜いて、すぐに浴槽も洗っておくと安心。
まとめ

更年期障害を少しでも軽くして、更年期をうまく乗り切る方法をまとめると、「生活(リズム)」「食事」「運動」「休養」のバランスです。更年期障害に限らずですが、どれか1つでも崩れると、いずれは心身に影響が出てくる。
特に更年期は、そのバランスの乱れがはっきりと不調となって現れます。若い頃は、気力でなんとか過ごせても、更年期はそうはいきません。
心と体は、いつも密接に結びついています。心をほぐすと、体も力が抜けてリラックスする。その逆もしかり。そのことを忘れないようにして、更年期をうまく過ごしていきましょう。
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