更年期障害は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少により、バランスを崩した自律神経が引き起こす日常生活の心と体の不調。更年期障害の症状は、イライラ、のぼせやめまい、発汗などさまざまですが、寝込んでしまうほど重い症状の人もいて個人差があります。
こんな時、体がついていかずに気持ちだけ先走り、自分がさらに嫌になって落ち込んでしまいがち。さらに、そのままでいると無気力になって、外出もだんだん億劫になりますね。
あなたはどうですか?「寝込む」くらい辛い症状でもなかなか周りの人に理解されない、となると「もう、どうしたらいいの!!」と投げやりな気持ちになってしまいます。更年期障害に悩む人たちが、どのように過ごしているか気になりませんか?
では、同じ更年期障害でもなぜ症状に違いが出るのでしょうか?まず、おおまかに更年期障害の症状からみていきましょう。
更年期障害の症状

ほんとうにさまざまな症状です。体のあらゆるところが不調を起こすため、この時期、更年期の女性は、日々疲れてしまうのですね。
【精神神経系】
頭痛・めまい・耳鳴り・物忘れ・憂うつ感・判断力、集中力低下・不眠・不安感・疲労感
【知覚系】
しびれ・蟻走感(皮膚に虫がはうような感じ)・かゆみ・知覚過敏・知覚鈍麻
【運動器官系】
肩、首のこり・腰痛・関節痛・背筋痛・筋肉痛
【自律神経系】
のぼせ・ほてり・冷え・動悸・息切れ・手足の冷え・高血圧
【皮膚・分泌系】
皮膚や粘膜の乾燥・湿疹・発汗・ドライマウス・唾液分泌の異常・ドライアイ
【消化器系】
食欲不振・吐き気・便秘・下痢・腹部膨満感・のどのつかえ
【泌尿器・生殖器系】
月経異常・頻尿・残尿感・性器下垂感・性交障害・外陰掻痒症
※引用元:「更年期障害 これで安心」 監修 堀口雅子
更年期障害が軽い人と寝込むほど重い人との違いは?

人によって、卵巣の衰えの程度やエストロゲンの減少の速度は異なります。更年期障害は、エストロゲンの分泌の減少の速度が、ゆるやかであればあるほど症状は軽く、速度が速ければ体がその変化についていけずに、寝込むなど重くなる傾向が。
エストロゲンの減少の速度やペースが影響して、更年期障害の症状に違いが出ると言えます。
またPMS(月経前症候群)が元々重い人は、エストロゲンの減少に体が反応しやすく症状が強く出てしまい、さらに、不規則な生活パターンや睡眠不足、過剰なダイエットを繰り返した場合も同様に自律神経のバランスを崩す原因となります。
更年期障害が軽い人と重い人の特徴とは?

更年期障害が軽い人
- ものごとに楽観的
- ストレスをうまく発散できる
- 夢中になる趣味がある
- 適度な運動をしている
- 生活のリズムが一定で規則正しい
- 食事のバランスに気を使っている(日ごろからイソフラボンを適度に摂取)
更年期障害が重い人
- 悩みやすい
- まじめで繊細
- 責任感が強い
- 完璧主義
- 几帳面
- ストレスに弱い
- 過労傾向
- 生活が不規則
- 生活の変化が激しくストレスの多い環境
更年期の女性は自分自身の体の衰えと「閉経」という大きな変化を迎えます。女性の象徴である生理が終了して、もう女性ではなくなってしまった、と感じる人は多いのではないでしょうか。
あまりにも悲観的に捉えると、更年期障害を重くさせてしまうこともあります。もう一度自分を振り返り長年がんばってきた体を休める時期と気持ちを切り替えましょう。
ここで「これからは毎月自由に行動できる」と前向きにとらえると、更年期障害もそれなりに受け入れやすくなりますよ。
更年期障害の症状は、その人の性格や環境が左右します。性格はいきなり変えることはできなくても、自分がくよくよしがちな性格ならば、少しでも気持ちの方向を変えるよう意識してみて。
自分がたった一人で苦しんでいると感じると、追い込まれた気持ちになるのは当たり前。できれば同じ経験をした先輩から体験談を聞いてみたり、今まさに同じ状況にいる友人と情報交換をしてみる、なんていいですね。
とにかく自分一人で閉じこもるのは危険。更年期障害で寝込んだまま動けなくてつらいのですから、なかなか改善されない時には、早めに婦人科か更年期外来の受診を忘れずに。
ここで「更年期障害」と診断されると、気持ちが楽になることだってあります。そこから、どのように治療していくのか検討しながら、前に進めるのです。
もし、受診してみて納得できる医師や病院ではなく、よくよく考えて何かおかしいと感じる場合は、無理をしないで他の病院も検討してみて。たとえすぐには改善方法が見つからなくても、あなたのペースで気持ちを楽にして進めば大丈夫!
婦人科は女性が一生かかわる大切な場所ですから、医師との相性も更年期障害の緩和には大切なポイント。
更年期障害を少しでも軽くするため自分でできることは?

更年期を軽くした方の体験談
「悪いことを一切考えない」努力なのです。何か悪いことを考え始めたら、すぐに集中できる別のことをするようにしました。そうして考えることをしないように努力しました。
悪いことを考えてしまうから辛くなるのです。だったら考えないようにするための努力をしようと前向きになりました。これがいいきっかけになって、更年期が収まり始めたのです。(44歳女性)
私は更年期障害になって不満ばっかりでした。そんな不満ばっかりの自分に嫌気がさして、私は生活を充実させるようにしました。美味しいものを取り寄せたり、ちょっといい服や宝石を買って見たり、自分の生活をなるべく充実させたのです。
これが良い働きをしてくれたのか、一時期酷かった更年期の症状は軽減しました。なるべく毎日の生活を充実させて更年期前の気持ちを取り戻したいです。
そうすれば更年期の症状は比較的よくなっていくのではないかと思っています。(41歳女性)
※「更年期障害に悩む40代女性のためのサイト」より引用
更年期障害を軽くするポイント
体験談を参考に毎日を充実させながら気持ちを明るくして、適度な運動と体を休めることのバランスが大切ですね。
- ストレスをためないように工夫する(気分転換!)
- 無理しない(だらけてもOK!)
- 適度な運動を心がける(ヨガやウォーキングなど)
- 食生活の改善(アルコールはなるべく避ける)
- 家族など周りの人に理解を求める(病気だときちんと説明しよう)
- 疲れをとるためしっかり眠る(日中短時間の昼寝も効果的)
- 簡単な日記をつける(自分の状態を見つめ直すため)
- 自分を否定しない(つらい時ほどまるごと受け入れて)
- リラックスできることを生活に取り入れる(外出できれば友人との会話など)
まとめ

更年期障害の症状の違いはその人の性格も深くかかわるのです。これは、考え方を変えることによって改善していく方法があるということ。
たとえ、更年期障害で寝込んだとしても、あなたが悪くて症状が重いというわけではありませんよ。
症状が重い時ほど、自分は必要以上に更年期や体調不良に対し、深刻に考えすぎてはいないか、振り返ってみてください。そして同じように考えてる誰かと話しているうちに、もっと気楽にしようと肩の力が抜けるかも…。
女性は生理を迎えてから、ずっと女性ホルモンに守られながら人生の約半分を過ごした後、閉経という通過儀礼でさらに成熟した人生の第二章が始まるのです。
更年期も過ぎた後には「自分はあの時ずっとトンネルの中にいるような気がしてたけど、それも抜けてやっと光の中でこうしていられる」ときっと思えるでしょう。
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