更年期の体調不良で仕事に行きたくない!更年期障害が原因で働けない?

 

40代半ば過ぎて更年期を迎えた女性は、さまざまな身体的・精神的不調「更年期障害」が現れ始めます。それは女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量低下により、自律神経が乱れて不安定になることが原因。あなたも日ごろから体のほてりやのぼせなどで悩んでいませんか?もしかしたら、充分に眠れていないかもしれませんね。

そんな状態で会社へ行ったとしても、仕事がはかどらないのは明らか。仕事に行きたくないと思うのも当然ですね。まず大切なことは、自分の心や体の状態を知ることです。下のPDFの更年期障害のチェックリストで確認してみてください。そして、これから不調の原因を探ってみましょう。

【PDF】簡略更年期指数 

 

仕事に行きたくないのは「更年期うつ」か「うつ」のどちらが原因?

上記PDFにある症状が一般的な「更年期障害」。この症状に加えて、無気力や倦怠感などの精神的な要素がさらに強く、それが長く続く場合は、通常の「うつ」の可能性が高くなります。

但し、「更年期うつ」か「うつ」なのかは判断が困難で双方が合わさることも。更年期障害から「うつ」を発症するケースがあるからです。

 

「更年期うつ」の代表的な症状

「うつ」の症状となかなか区別がつきませんね。

  • 気分が落ち込みやすい
  • やる気が起きない
  • 集中できない
  • 疲れやすい
  • 好きなことに興味がなくなる
  • イライラやクヨクヨしやすい
  • 自分を過度に否定する
  • 突然不安になったり、泣き出したりする
  • 急激に痩せた、もしくは太った
  • 昼と夜が逆転した
  • 食欲不振
  • 不眠

 

更年期障害かもしれないと思ったら、まず病院で検査を

婦人科か更年期外来を受診しましょう。検査費用は5,000円前後。現状では不調を感じても、そのまま更年期を過ごしてしまう方が多いですが、効果的な治療が見つかれば楽になれる近道です。重症化する前に受診が重要!!

【検査内容】

  • 問診(問診表の記入)

ここでは初潮の時期、生理の量と周期、直近のの生理の日、閉経後であれば最後の生理の日、病歴と服用している薬やサプリメント、家族の病歴、どのような症状でどれくらいの期間続いているのか、食事や生活習慣などを記入していきます。

あらかじめメモにまとめておくと便利です。

  • 内診(膣とお腹の上から子宮か卵巣の状態を触診)

初期の子宮内膜症、子宮がんや卵巣がんなど婦人科系の病気も早期発見できます。子宮筋腫や子宮内膜症が見つかった時は、医師の判断によりHRT(ホルモン補充療法)の治療に注意が必要、もしくは受けられない場合があります。

  • 超音波検査【エコー】(子宮や卵巣の状態を確認)

子宮や卵巣の状態を画像から確認。お腹の上から器具をあて撮影する方法と腟の中に器具を挿入して撮影する方法。

  • 血液検査(女性ホルモンの血中濃度を測定)

E2(エストラジオール)・FSH(卵胞刺激ホルモン)・LH検査(黄体形成ホルモン)の数値を測定し更年期障害の可能性の有無の診断。

  • 細胞検査(子宮がん検査)

子宮頚部から細胞を綿棒で取り診断。

  • 乳房検査(乳がん検査)

触診や超音波検査(エコー)で乳がんの有無を確認。

  • 骨量測定(骨密度を調べる検査)

骨粗しょう症かどうか確認。レントゲン検査と超音波法で測定。

※もし検査結果で異常なく、更年期障害の可能性がないと診断された場合、他の病気が疑われるため、内科や精神科など専門の科の受診もおすすめします。特に甲状腺の病気は更年期障害と症状が似ているので気づきにくく注意が必要。

 

更年期障害と診断された後の治療方法は?

健康保険適用の代表的な治療法は4つ

  • HRT(ホルモン補充療法)

不足した女性ホルモン(エストロゲン)を補充する療法。

「エストロゲン」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」2種類の女性ホルモンを使用(治療初期や子宮摘出後の治療はプロゲステロン単体で使用)他に、飲み薬・貼り薬(パッチ)・塗り薬(ジェル)が処方される。

  • 漢方薬による治療

漢方薬はHRT(ホルモン補充療法)が使用できない時や原因が特定できないさまざまな症状の治療に用いられる。

患者の不調を考慮しながら、体全体のバランスを整える漢方薬が処方されるため、相性がよければ効果が期待できる。

 代表的な「三大婦人薬」

・加味逍遥散(かみしょうようさん)  … イライラ 不眠 肩こり 疲労感 うつ
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)… 頭痛 のぼせ ホットフラッシュに有効
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)… むくみ めまい 不眠 強い冷え 貧血

  • 抗不安薬・抗うつ薬・睡眠薬の処方

更年期の不調がうつなど精神的ストレスが強い場合、他の治療で効果が見られない場合は精神科や心療内科で治療。

症状に合わせて、薬物療法の他にカウンセリングや心理療法で改善を図る。(病院によってはこの治療が行われていないケースあり)

  • プラセンタ療法(保険適応年齢45~59歳)

プラセンタ(胎盤成分)のラエンネックとメルスモンという2種類の皮下注射。

栄養素を含んだ胎盤エキスで自律神経のバランスを整え、自然治癒力を高める。美容にも効果的。プラセンタ注射薬を1回でも受けた後は献血は不可。(病院によってはこの治療が行われていないケースあり)

 

自分の状態を把握してから職場で相談を

まだ「更年期障害」という一つの病気の症状と認知がされていない背景がありますが、ここは今後のあなたと社内の人たちのためにも、自ら病名を打ち明けて働き方について相談してみてください。

「うつ」や「更年期障害」は決して恥ずかしいことではありません。誰もが経験する可能性があるからです。最近では、男性の更年期障害もすこしずつ取り上げられるようになりました。

 

ここでもし、あなたが強い責任感から仕事に行きたくない気持ちを押し殺したまま仕事を続けたとしても、体調不良で注意力が不足し、取返しがつかないミスをする可能性もあります。その時初めて自分が病気だったと説明しても、誰も納得することはないでしょう。自分がさらに苦しむだけ。だから早めに動いておくのです。

まとまった有給休暇を取得して様子をみる、また長期化しそうな場合は休職扱いにしてもらうのもいいですね。通院と同時に仕事は続けながらも、勤務時間を調整し時間を短縮するなど方法はきっといくつかあるはず。

 

「退職」の決断は急がない方が賢明。辞めるのはいつでもできます。最終的にやむを得ず「退職」を決断する時は、心身ともに落ち着いた時がベスト。退職後、体調が改善されて会社へ復帰できるチャンスがあって後悔しても、時すでに遅し。

 

何より日ごろの生活を見直して生活改善!

 

単純なことですが、重要ですね。どんな時も体が資本!これを機会に生活を見直してこの3つを意識しましょう。

  • 早寝早起きと充分な睡眠
  • 食事の改善
  • 適度な運動

 

まとめ

いかがでしたか?更年期に「会社に行きたくない!」という心の声は実は体からのサイン。そんなことを考えるのは怠け者だと、自分を否定しないで!「更年期障害」や「うつ」の他に別の病気が隠れているかもしれません。この大切なサインに耳を傾けて、自分をいたわってあげてください。今の体の状態を知るのは、早ければ早いほどいいですよ。

最後に私の好きな小説から、5つのボールで人生を例えた話の引用をのせておきますね。人生の優先順位が大切だと教えてくれました。あなたにも届きますように。
人生を、5つのボールでジャグリングするゲームだと考えてみて。
それぞれのボールには、仕事家族健康友達誠意という名前がついている。
あなたはいま、その全部をうまく宙に浮かせている。
ところがある日、仕事のボールがゴムでできていることにようやく気がつく。
落としても、そのボールは跳ね返ってくる。
ほかの4つのボール 家族、健康、友達、誠意は、ガラスでできている。
どれも、一度落としたら、生涯消えない傷がついて、欠けて、もしかしたら粉々に割れてしまうかもしれない。
この5つのボールの教訓をきちんと理解したとき、あなたはきっと自分の人生のバランスについて考えるようになるでしょう。

 

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