女性は40代に入った頃から、心や体の変化とともに、今までなかったような体調不良を感じることが多くなりますね。でも、まだ病院へ行くほどでもないと自分に言い聞かせながら、毎日過ごしている人はきっと多いのでは?
よく寝た日の翌朝でも疲れがとれず、体がなんとなくだるい、やらなくてはいけないことがあってもどうしてもやる気が出ない、等々。「もしかして更年期障害?」と疑問を感じていたら、【簡略更年期指数(SMI)】で症状をセルフチェックしてみましょう。
【簡略更年期指数(SMI)】
症状の程度に応じ、自分で○印をつけてから点数を入れ、その合計点をもとにチェックをします。どれか1つの症状でも強く出ていれば、強に○をしてください。
【チェックの目安】
無(とくに症状を感じない)弱(ふつうに我慢できる状態)中(なんとか我慢はできる状態だが、症状をどうにかしたい)強(つらくて我慢できないほど日常にも差し障りがある状態)
症状 | 症状の程度(点) | |||
強 | 中 | 弱 | 無 | |
1.顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 |
2.汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 |
3.腰や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 |
4.息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 |
5.寝つきが悪い、または眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 |
6.怒りやすく、すぐイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 |
7.くよくよしたり、憂うつになることがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
8.頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
9.疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 |
10. 肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
【更年期指数の自己採点の評価法】
0~25点 | 上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。 |
26~50点 | 食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。 |
51~65点 | 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。 |
66~80点 | 長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。 |
81~100点 | 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が 必要でしょう。 |
更年期障害の初期症状は40代女性の場合、どんな症状?

生理不順
生理不順とは以下の状態です。
- 生理が短くなる(24日以下)
- 生理が長くなる(39日以上)
- 不正出血がある(生理前や生理が終わってすぐに出血)
卵巣機能が低下する40歳を過ぎた半ばあたりから、更年期障害の初期症状として、生理周期が乱れて生理不順の傾向がみられます。生理が安定した周期だった人も、生理の日数が短くなったかと思えば長く続いたり、このパターンが入れ替わる場合も。経血の色や量にも変化あり。
次第に生理の回数が減少して間隔も空き、1年以上次の生理が来ない時に閉経を迎えるのです。生理不順は「更年期」に入ったサイン。
但し、子宮筋腫・子宮頸管ポリープ・子宮体ガン・子宮内膜症など、別の病気が原因で生理不順や不正出血になっているケースがあり、注意が必要。異常な出血が続く場合は、早めに婦人科で検査を。
のぼせ・ほてり・発汗
ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)は、更年期障害の代表的な症状。突然上半身や顔が熱くなったり、多量の汗が止まらなかったりします。自律神経が乱れて、血管の収縮・拡張の調節がうまくできないため起こる。
夜間の場合「寝汗」で汗だくとなり、充分な睡眠が確保できず、睡眠障害に。生活にも支障が出てしまう。
冷え性
冷えは、ホットフラッシュのほてりやのぼせと同時に症状が出て、顔や上半身がほてる一方で手足や下半身がが冷える、という矛盾した状態になります。自律神経の乱れから体温調節ができないため、元々冷え性の人が更年期に入るとさらに悪化することも。
冷えが頭痛・不眠・下痢・肩こり・腰痛などさまざまな症状の原因になるため、日常で足浴など体を温めることを心がけて。
頭痛
頭痛は、更年期の場合、老眼による眼精疲労や肩・首のこりが原因。女性ホルモン分泌の急激な低下から自律神経が乱れて血行不良となり、硬くなった筋肉から肩こりが起きて、頭痛につながりやすくなります。
くも膜下出血・脳出血・髄膜炎・脳腫瘍など脳の病気でも頭痛が起きることがあるので注意。強い痛みが長く続く場合や頻繁に吐き気や強いめまいも伴う時には、神経内科や脳神経外科で診断を。
めまい
更年期障害の初期症状で多いのが、めまい。自律神経の乱れから血流が悪く不安定になることやストレスが原因。
症状は、壁や天井がグルグル回っているように感じる「回転性のめまい」と自分がフワフワと浮いて浮遊感がある「浮動性のめまい」があり、更年期は「浮動性のめまい」が多い。
何度もめまいを繰り返したり症状が続く場合は、メニエール病や高血圧症、脳腫瘍や脳梗塞など脳の病気などの可能性もあるため、耳鼻科や循環器科、脳神経外科を受診して他の病気が原因かどうか検査を。
動悸・息切れ
激しい運動をしたわけでないのに、突然動悸や息切れが起こる、これも更年期障害の症状。夜間や朝に動悸が起きる場合があります。
自律神経は心臓や呼吸を調整しているため、更年期の女性ホルモンの変化により、うまくコントロールができなくなるため動悸・息切れが起こる。また環境の変化などのストレスが原因になることも。
心筋梗塞や狭心症などの心臓病も更年期にリスクが高まります。動悸・息切れは心臓の病気でも症状が現れるので、異常を感じたら、循環器内科で検査を受けると安心。
イライラ
今まで穏やかな性格の人でも感情の起伏が激しくなり、人が変わったように怒りっぽくなることがあります。このイライラは女性ホルモンの減少とまた自律神経の乱れが原因。体の不調と重なり、さらにイライラなんてことも。
本人もイライラが止められず苦しんでいるため、周りの理解も不可欠ですね。もし、あなたがイライラに悩んでいるのなら、ストレス発散も大切ですが、孤立してしまう前に身近な人へまず更年期障害だと打ち明けることも必要。
落ち込み・不安感
更年期の多くの女性は、子供の成長と夫との関係の変化や仕事上の責任の増加、さらに高齢の家族の介護などストレスが多い環境にいます。努力してこなそうとすればするほど、悪循環に陥る結果に。
心と体が変化についていけず、気持ちが沈んでいき、将来について不安感を持ち続けてしまう。さらに重症化する前にここでしっかり自分を見つめ直し、心療内科医・精神科医・臨床心理士・心理療法士など専門の医師に相談して。
物忘れ・記憶力低下
物忘れや記憶力低下は、気分の落ち込みや不安感などに伴って症状が出る。女性ホルモンの分泌の急激な低下に加え、ストレスが原因。更年期を過ぎると落ち着く傾向があります。
認知症を疑ってしまいそうですが、更年期障害の1つの症状だと覚えておくと気持ちが楽になるかもしれません。それでも心配な場合は、「物忘れ外来」で確認することも可能。
まとめ

いかかでしたか?更年期の40代女性の更年期障害について初期症状をまとめてみました。一般的には初期症状が出るのは45歳頃ですが、遅い人は50代に入ってから、という人もいます。
いずれにしても、更年期障害が出ている人もこれからの人も準備をして初期の段階で対策を検討しておくのがベスト。更年期障害は、知識として知っているかどうかで今後の生活も変わってくるからです。
「更年期」という言葉もない、はるか昔の女性たちは寿命も短く、更年期障害の体調不良をひたすら我慢するしか方法がなかったのですから、現在の私たちは情報という面でも恵まれていますね。有効活用して人生を楽しみましょう。
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