あなたは朝起きてから、手首や足首の関節が痛んだり、また手のしびれや指先がこわばって手に力が入らないことはありませんか?家事や仕事に行く準備でただでさえ忙しい朝に、ほんとうに困ってしまいますよね。着替えもままならないなんて。
年齢のせいとあきらめているかもしれませんが、まだまだ働きざかりの更年期の女性が自覚する症状の1つですね。ここでは、この痛みの原因や改善する方法を詳しくみていきましょう。
更年期の体の痛みはどんな症状?

手足のこわばりが数分で治まらず、1時間以上続く場合は「関節リウマチ」の可能性が高くなります。「甲状腺機能低下症」も同じような症状で「関節リウマチ」とともに女性がかかることが多い。
心配がある時は、関節症の診断は整形外科やリウマチ科、甲状腺の診断は内科や内分泌内科へ念のため受診を。激しい運動をした後でもないのに、筋肉痛になる時は更年期障害の関節痛と考えられます。
主に次のような症状です。
- 手首・足首・膝・肘などの関節痛
- 筋肉痛
- 腰痛
- 手指のこわばり
- 手足のしびれ
なぜ更年期にこわばりがあったり関節痛で体が痛くなるの?

更年期に入り、卵巣機能の低下による女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の急激な減少が原因。この「エストロゲン」の影響力は大きく、減少することによって、更年期障害のさまざまな不調が現れ始めるのです。
このエストロゲンの減少が、正常に機能していた自律神経のバランスを乱して血液循環が悪くなります。しだいに筋力が衰えて、疲労物質が血液中に溜まりやすくなり筋肉痛が起きる。
エストロゲンが減少すると、コラーゲンも減ってしまいます。エストロゲンには、関節をなめらかに動かす働きもあるため、加齢のためにすり減った軟骨がさらにダメージを受けて手や足のしびれやこわばりが生じ、そこから悪化すると関節炎で痛みを伴うというわけです。
更年期の体の痛みを和らげる栄養素

バランスよく取り入れてみましょう
- カルシウム(牛乳・チーズ・小魚・干しエビ・小松菜)
骨や歯の元であり、更年期の骨粗鬆症の予防に役立ちます。更年期の不調から骨折には注意して、ぜひ積極的に摂取してほしい栄養素。
ビタミンDを含む食品(乾燥きくらげや干しシイタケ、まいたけなどのキノコ類やしらすなど)と一緒に取ると、カルシウムの吸収を高める効果があります。
- ビタミンE(たらこ・アボカド・アーモンド・ウナギ・かぼちゃ・オリーブオイル)
ホルモン分泌を調整し血行促進。活性酸素を抑制し老化防止に役立つ、日頃から取り入れやすい栄養素ですね。普段使うオイルをオリーブオイルへ変更してみるのもいいですね。
- ビタミンC(キウイ・赤、黄ピーマン・パセリ・ゴーヤ・モロヘイヤ・ブロッコリー・イチゴ)
血行を促進し、骨や関節や血管を強くする効果があります。ストレス緩和や疲労回復にも役立つ、果物や野菜に多い身近な栄養素。スムージーで日常的に飲んでいる人もいるでしょう。
- ビタミンB群【B1・B2・B6 ・B12、他の総称】(マグロ・サンマ・カツオ・豚肉・牛レバー・鶏レバー・ウナギ)
全身の新陳代謝やホルモンの代謝を向上させる働きがあり、血行を改善。自律神経の働きを維持する。エネルギーを生成。肉や魚に多く含まれていますね。心と体の健康を維持するため欠かせない栄養素です。
- 亜鉛(カキ・あさり・ほたて・しじみ・豚レバー)
ホルモンバランスを整えます。亜鉛はとくに不足しやすいので、食事ではなくサプリメントを利用している人も多いかもしれません。体内では作り出すことができない栄養素で、髪や肌を健康に保つ役目があり、味覚にも重要な働き。
- 大豆イソフラボン(豆腐・納豆・味噌・油揚げ・厚揚げ・きなこ)
女性ホルモンと似た構造をしており、体内で不足したエストロゲンを補う、更年期障害を緩和させる代表的な栄養素。大豆イソフラボンは、体内で腸内細菌によって「エクオール」という物質に変化することで注目され、エクオールは大豆イソフラボンのパワーアップバージョンと言えそうです。
更年期の手足のこわばり・関節痛の痛みを改善するには?

ハンドマッサージで血行促進
更年期のこわばりは、だいたい数分で落ち着きますが、時間がある時にはぜひ腕から指先に向かってマッサージを。肌にやさしいクリームやオイルを使うのがおすすめ。
さらに指先まで1本ずつ丁寧に爪の先から力を抜くように丁寧にマッサージすると気持ちがいいですよ。手の平もわりとこっているのでよくほぐして。
体全体も適度に動かそう
やはり、部分的にではなく体も動かして全身の血行を促しましょう。毎日できることから始めてください。
ウォーキングや水泳などがおすすめですが、室内でできる簡単なストレッチやヨガのポーズをしてみる、これも充分効果があります。体を温めて冷やさないように心がけて。
最後に

更年期の体の痛みには、とにかく体全体の血行促進がキーワードです。それを忘れずに、あなたの体をほぐしてほしいのですが、毎日落ち着いていられないほど、やることに囲まれて息をつく暇もないかもしれません。
そんな時でもどうか自分を振り返って、どこかで休憩する時間を見つけて。体が痛い時はどうしようもありません。
痛みと戦わずにその分だけ体をやさしくやさしく扱ってくださいね。毎日体もだまってあなたにつくしているはずですから。
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